MENU
「キャリアアップ=管理職になる」だけじゃない! 世界的ファッションサイトの運営者が語る、米国ワーキングマザーのワークライフ事情

「キャリアアップ=管理職になる」だけじゃない! 世界的ファッションサイトの運営者が語る、米国ワーキングマザーのワークライフ事情

2015年7月9日 • Wedding & Marriage, Work

【出典:Woman type

ワーキングマザーの応援CMが話題になるなど、“育児と仕事の両立は大変なもの”というイメージが根深い現在の日本社会。実際、出産や子育てをきっかけに、好きな仕事を辞めてしまう女性も少なくない状況だ。

一方で、世界の先進国に視野を広げると、ワーキングマザーが活躍できる環境が急速に整い始めている。特に、新しいテクノロジーを使ったビジネスが多く生み出されるサンフランシスコを中心としたアメリカの西海岸地域では、多くのワーキングマザーが活躍中。女性リーダーも多い環境だ。

「キャリアアップしない選択肢なんて、私の人生には無いわ」と穏やかな笑顔で語るのは、世界最大級のファッション検索サイト『SHOPSTYLE』を運営するPOPSUGAR Inc.エグゼクティブ・ヴァイスプレジデントのメリッサ・デイビスさん。31歳という若さで『SHOPSTYLE』の副社長に就任し、現在ではゼネラルマネジャーとして世界中に存在する『SHOPSTYLE』掲載ブランドの統括、マーケティングを行う傍ら、4歳と2歳の2人の子どもを育てる母でもある。

プロフィール
メリッサ・デイビスさんメリッサ・デイビスさん

POPSUGAR Inc.
Executive Vice President and General Manager, SHOPSTYLE

2008年にPOPSUGAR Inc.に入社後、米国国内でのビジネスディベロップメントを担当。その後、2010 年より『SHOPSTYLE』の米国でのビジネスを統括。2014 年以降は『SHOPSTYLE』の世界展開を統括し、1400 以上のブランド、EC サイトとのパートナーシップの責任者に就任。現在では10,000 人以上のメンバーを誇るブロガーマーケティングプログラム、『ShopSense』も管轄している。10 年以上のデジタルメディアとEコマース分野での知識や経験を持つ
SHOPSTYLE:http://www.shopstyle.co.jp/

「仕事を辞める」選択肢はない 短時間で質の高い仕事をする方法を考えた

日本での展開を始めて5年が経った『SHOPSTYLE』。世界中から月間1700万人の人が訪れるサイトだが、その中で最もアクセスが多い都市は東京とのことで、メリッサさん自身も日本の女性たちに強い関心を抱いている。
「私は、東京の女性たちのファッションが大好き。彼女たちのコーディネートは本当に自由でユニーク。東京にしかない個性的なスタイルをたくさん見ることができるので、日本に足を運ぶのはすごく楽しみなんです。一方で、日本の働く女性たちを見ていると、ワークライフバランスに関して多くの課題を抱えているように感じます。仕事はとにかくハードだと聞きますし、夜遅くまで働いている女性も多い印象です」

メリッサさん自身も、子育てを始める前は会社に一番早く出社し、一番遅くまで仕事をしているタイプだったそう。長時間労働を強制されるような雰囲気があったわけではなく、彼女自身が仕事にのめり込んでいたのだ。だが、1人目の子どもが生まれたことをきっかけに、「これまでのようには働けない」ということを痛感。ワークライフバランスに対する考え方も変わっていった。

「当時は、以前のように仕事できなくなったことが、すごくショックだった。海外で行われるコレクションを観に行く回数や日数も減らさなければいけなくなったし、そもそも仕事に割ける時間がぐっと少なくなって……。でも、だからといって仕事を辞めるという選択肢は私にはなかった。仕事は自分の毎日に刺激を与えてくれるものだし、自分にとっての生きがい。ならば、どうやったら短時間で質の高い仕事ができるのかを考えていこうとシフトチェンジしました」

サンフランシスコの女性たちは効率アップのために最新テクノロジーを使いこなす!

さらに、メリッサさんをはじめ、サンフランシスコで働くワーキングマザーが仕事と家庭を両立していける秘訣は、“テクノロジーの活用”にもあるという。

「私たちワーキングマザーにとって大切なのは、とにかく時間。少しでも子どもと一緒に過ごせる時間を捻出するために、効率アップのためにできることは何でも試していますね。仕事で言えば、私は何でも自分でやらないと気がすまないタイプの人間でしたが、子どもが産まれてからは“人に任せる”ということも上手にできるように努力しました。家庭のことで言えば、夫との役割分担を明確にしたこともそうですし、最新のテクノロジーを使ってどんどん時短術を身に付けていきました。例えば、何だかんだ言って時間がかかる食料品などの買い物。実際にスーパーに行くのも楽しいのですが、私は『インスタカート(Instacart)』というアプリを使って買い物代行を利用しています。アプリで注文した商品が、その日のうちに届くんです。もちろん、『SHOP STYLE』も買い物時間の短縮に役立つはず。サンフランシスコの女性たちは、こうしたサービスを上手に使って自分の時間を確保していると思いますね」

一方で、どんなに効率アップを心掛けていたとしても、1日でできることは限られている。そこで重要になるのが、「何でも完璧を目指しすぎないこと」とメリッサさん。

「私はいつも、全て完璧にやろうとは考えず、“絶対に欠かしてはいけないこと”を決めて、それだけはやるというスタンスでいます。例えば、子どものバレーリサイタルがあったとして、その瞬間は絶対に一緒にいてあげるようにするとか。お休みの日だけは必ず家族揃って子どもと遊ぶ時間をとってあげるとかね。そうすれば、あれもできなかった、これもできなかった、とネガティブにならずに済みます。子どもたちが成長していく上で“見逃してはいけない瞬間”を見極めて、そこだけは絶対に立ち会うようにすること。そして、普段の仕事を楽しそうにしていたら、一緒にいられない時間は長くても、きっと子どもたちも母親のことを誇らしく思ってくれるはずです」

日本の労働環境がサンフランシスコのようになる日はまだ先のことかもしれない。だが、メリッサさんが教えてくれた仕事に対するマインドや、仕事と家庭を両立していくための秘訣は日々の仕事の中でも生かせるはず。少しだけ仕事への意識を変えてみること、完璧を目指し過ぎないようにすること、効率アップのために役立つサービスはないか探してみること。今日からでもできることはたくさんありそうだ。

取材・文/栗原 千明(編集部) 撮影/masaco(CROSSOVER)

※『Woman type』2015年6月の記事を転載しています。


« »