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ウミガメがやってくる、伊豆のお気に入りビーチ

ウミガメがやってくる、伊豆のお気に入りビーチ

2014年10月10日 • Travel

世界のあちこちに“お気に入りのビーチ”があるのだけど、残念なことに“お気に入り”とは名ばかりで、もう何年も行っていないビーチも少なくありません。やはり、“お気に入り”と公言するからには、頻繁に訪ねていけるビーチでなくてはなりませんね。そういった意味で正真正銘My Favorite Beachと呼べるのが、伊豆 吉佐美地区のビーチ。

東京から行くと下田を超えて手前から順に、多々戸、入田浜、そして吉佐美大浜と続くこのエリアのビーチは、透明度が高く、いい波がたつサーフポイントしても知られています。初めて吉佐美を訪れたのは、もう今から20年以上も昔のこと。それから毎年、少なくとも年に3、4回の割合で訪れていますが、いつ行っても変わらずに迎えてくれる白い砂浜とクリアブルーの海が最高にほっとするビーチ!

南伊豆の弓ケ浜はウミガメが産卵に来ることで知られていますが、実は吉佐美のビーチにもウミガメがやってくるのです。私が吉佐美大浜でウミガメの産卵シーンに遭遇したのは今から3年前の夏のこと。夜中、ビーチを散歩していると、暗闇の中で必死に砂を蹴るウミガメの姿が。ウミガメは、じっと何かを堪えるよう砂の中に身体を投出し、ひとつ、またひとつ、と卵を産み落としていたのだと思います。そっとしておいた方がいいと思いその場を離れ、明け方もう一度見に行くとすでにウミガメの姿はなく、砂浜の上にはウミガメが歩いた跡が波間までクッキリと残されていました。

そして、その年の同じ夏の終わり、まさか!という声が聞こえてきそうですが、今度はウミガメの赤ちゃんたちが卵から孵り海へと還っていくシーンに遭遇したのです。

夜のビーチを散歩していると、何やらごそごそと砂浜の上を動く生き物の気配。目を凝らして見ると、それは何とウミガメの赤ちゃん! 必死になって殻から身をよじ登らせた赤ちゃんたちが、一心に波へと向かって這い出す様子は生命の神秘。誰が教えたわけでもないのに、本能でまだ見ぬ海を目指さすのだからすごい。幸い、夜中の吉佐美の海には赤ちゃんたちを狙う鳥たちの姿はなく、みな無事に海へと還り、小さな小さな身体を波にもみくしゃにされながらも、沖へ沖へと姿を消していきました。

思いがけず夜中の海辺で立ち会うこととなった、生命の誕生の神秘。あの夜の、キラキラと波間を照らす月の明るさや、青白い光に包まれた砂浜の光景を、私はきっと一生忘れることはないでしょう。

今年もウミガメが吉佐美の海にやって来て卵を生んだなら、すでにウミガメの赤ちゃんたちは海へと還っている時期。ウミガメたちにとって吉佐美の海が永遠に居心地のよい海でありますように、と願うのです。

  • 伊豆 吉佐美地区の位置

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