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”旅からきた人”を優しく迎える利尻島

”旅からきた人”を優しく迎える利尻島

2015年9月1日 • Travel

北海道の日本海に浮かび、快晴であればロシアも見える利尻島。かつて日本で最初の英語教師となった、ラナルド・マクドナルドが漂流者を装って上陸した際目印とした、立派な利尻富士が島の真ん中にそびえ立っています。凛とした佇まいの独立峰は、島の外からも目を引き、その美しさに呼び寄せられるように、この島にはたくさんの来訪者がやってきます。

“旅からきたひと、旅のひと”

利尻島の人たちは、島の外から来る訪問者や移住者のことをそう呼びます。未開拓だった蝦夷地は明治維新後、移民者たちの手によって開拓されていった土地。共に手を取り合いながら、過酷な自然環境に適応していった人々は、人との関わり方を知り、遠くから出稼ぎにくる人々を受け入れてきました。“旅からきた人”という表現は、よそ者を優しく包み込む、彼らの寛容性と歴史が凝縮されているような気がします。

島の特産物である昆布の漁は毎年6月に始まり、8月半ば頃まで続きます。1年の中で最も忙しく、島が活気付く時間です。島のみんなが総出で力を出し合うこの時期には、島の外からもたくさんの応援者がやってきます。

私が滞在する隣の家には、イスラエルからの“旅のひと”の姿がありました。約1ヶ月に渡って住み込みで昆布の漁を手伝いに来ているとのこと。人口5,000人しかいない島では、観光客でも外国人を見かけることは少なく、ましてや働きに来ている若い女性外国人はとても目立つ存在です。

日本中を一緒に旅しているパートナーとこの島で過ごす彼女。作業着も、昆布干しもすっかり利尻の風景に馴染んでいます。

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「日本に来る前は、日本という国についてこんな自然的なイメージはなかったけど、本当にいいところで、ずっといても飽きないわ」
島で困っていることはないかを聞くと、「困っていることは美味しい食べ物をたくさん与えてくれることね。ここに来て随分太ってしまったわ」

旅からくる者をそっと受け入れる自然と人。全ての要素が重なり合って醸し出される、艶やかで、イキイキとした島の雰囲気は、これからも多くの旅からくる人たちを迎えいれていくでしょう。


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