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かえるの王さま

かえるの王さま

2013年9月25日 • Books, Love & Relationship

グリム童話に『かえるの王さま』というお話があります。

金のまりを泉に落としてしまい困っているお姫様を、

「ならわたしがとってきましょう。そのかわりわたしの友達になって、テーブルの隣に座って、ひとつのお皿で食べ、ひとつのコップで飲み、そうしてひとつのベッドで眠ると約束してください」

という条件付きで助けてあげるカエル。

約束を守るつもりは無いものの、金のまり惜しさに「いいわ、約束しましょう。」と言うお姫様。

父親である王さまに約束を守るよう厳しく言われ、嫌々ながらもひとつずつ約束を守っていくお姫様。でも最後にカエルが一緒のベッドで寝ようとした途端、さすがに限界だったのか、腹を立てたお姫様はかえるをつまみあげ、「カエルのくせに!」と力いっぱい壁にたたきつけてしまいます(!)。

ところが床に落ちたカエルは、素敵な目をした王子様に大変身。実は悪い魔女の呪いでカエルに帰られていた王子様。その後人間に戻った王子様とお姫様は仲良くなり、結婚して末永く幸せに暮らしました・・・というお話でした。 1

お姫様に対して、「約束を守れ」と厳しく娘をしつける王さまは道徳的だと思いますが、お姫様は自分勝手で思いやりがないように見えてしまいます。色々な教訓を込めてのお話なんだろうと思いつつ、それでもこのハッピーエンディングにはなんとも言えない感覚を覚えました。

そもそもこのお話を思い出したのは、友人から「私、三高の男性が理想なんです!」と彼女の同僚が言っていた、という話を聞いたからでした。

三高=「高学歴・高収入・高身長」

という意味。なんだか今の時代にはそぐわない感じがしてしまいます。もちろん、理想を持つことは決して悪いことではないと思いますが、その女性が『かえるの王さま』のお姫様と重なってしまいました。

お姫様が最後にカエルを壁にたたきつけたのは、自分にそぐわない身分の者が、図々しく迫ってきたから。でも素敵な王子様に変身した途端に180度態度を変えて優しくするのは、結局表に見える部分でしか判断していないということに思えてしまいます。私は友人の同僚と面識はないものの、彼女もそういうタイプなのではと想像してしまいました。

でも私の友人には、「男はステータスが大事!ファシリティ(設備)が整ってなくちゃ!」なんて堂々と言っている女性もいます。彼女はそう言いながらも、実際に付き合う男性は理想と違うことが多いのですが、それは相手と一緒にいてハッピーならそれで十分と思えるからだそう。本気で人を好きになるってそういうことなんだろうな、と思って心からほっとしますし、そういう彼女がすごくかわいいなと思います。

アメリカのドラマ、SATCのシーズン1、エピソード2(『モデルにハマる男たち』)で、モデル遊びに疲れたMr.Bigがキャリーにこんなセリフを発します。

After a while, you just want to be with the one that makes you laugh.
(モデル遊びもいいけど)しばらくするとさ、自分を笑わせてくれる人と一緒にいたくなるんだよ。

本気で恋したらルックスやステータスは関係なく、一緒に笑って幸せを分かち合えるということが何よりも価値があるということに気づく。だから理想に縛られることなくオープンマインドでいれば、きっと素敵な恋に巡り合える、そんな風に思います。

脚注:

  1. グリム兄弟、「グリム童話 かえるの王さま」、岩波書店、1992年

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