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”わがまま”が幸せのヒント!?

”わがまま”が幸せのヒント⁉

2014年4月15日 • Mind & Heart

幸せそうで楽観的なオーラを放つ人と、不幸せそうで悲観的なオーラを放つ人の二人がいたら、一緒に過ごしたいと思うのは前者ですよね。心理学の言葉に「情動伝染」というものがありますが、これはある人の感情・言葉・行動が他の人に影響をもたらすということ。 1例えば偶然結婚式に出くわした時、そのハッピーオーラに自分も幸せな気分になったり、誰かが大笑いしているのを聞いて自分までおかしくなって笑ってしまったり、というのが情動伝染のいい例です。幸せな人は周りの人も幸せにしてくれます。

でも幸せであることは時にわがままにも思えてしまいます。何故なら幸せであるということは、自分の欲しいものを追い求め、それを手に入れるということだから。子供の頃、「あれも欲しい、これも欲しい」と言って親に「わがまま言わないの!」と言われたことを思い出します。だから、「これが欲しい」と思うことが自己中心的なことに思えてしまいます。学校でも他人を思いやる心の大切さについて教えられてきたこともあって、利己的になることに抵抗感を覚えてしまうことも。

でも「わがままが幸せの鍵である」という面白い研究結果を導いた次のような実験が、アメリカの大学で行われました。

まず216人の学生を3つのグループに分け、それぞれに3ドルと次のような指示を与えました。

グループ①:3ドルを自由に使っていい
グループ②:3ドルをユニセフに募金する
グループ③:3ドルを自由に使う/ユニセフに募金する のどちらかを選択する

その後幸福度を1から7のスケールで、7が一番幸福度が高いとして、どれくらい幸福度を感じたかをヒアリングしたところ、①の自由に使っていいと言われたグループの幸福度が一番高く、それは②と③のグループより大幅に高いものとなりました。 2 「人のために」とユニセフに募金をした②のグループが一番幸福度が高くなるかと思いきや、意外な結果ですよね。③の選択肢のあったグループの幸福度が低かったのは、「自由に使いたいけれど、募金をしなければ罪悪感を感じる」という感情が伴ったからだそう。

この実験を行った心理学者のジョナサン・バーマン氏は、「多くの人間にとって、『本当にやりたいこと』は利己的な行動であると捉えられているので、本当にやりたいことがなかなかできないのだ。だから自分の行動が利他的だったとしても、結果的に幸せを感じることができなくなってしまう」と言います。

さらにバーマン氏は、「他人を思いやる行動は素晴らしいし、世界をより良い場所にしてくれるものだ。でも時には自分を優先させることも大事。1日2回、自分を優先させてみるといい。それだけで満足感や幸福感はずっと増すはずだから」とも言います。

社会的な常識や周りの目が気になる、相手に申し訳なく感じる、相手に喜んでほしい……そんな気持ちから、自分が何をしたいのか、どう生きたいのかを見失ってしまったら、もったいないですよね。このことを心理学では「犠牲」と呼びますが、私達は時に、犠牲を相手への思いやりや優しさと勘違いしてしまうことがあります。相手のことを思い、与える行動は素晴らしいもの。でもそれが自分の犠牲のもとに生まれたものだとしたら、後に苦しみや痛みの原因になることもあります。 3 だから人に迷惑をかけることがない限り、バーマン氏の言う通り、自分に正直に、自分を優先させて生きた方がずっと幸せなはず。

ホンダ創業者の本田宗一郎氏はこう言いました。

自分の喜びを追求する行為が、他人の幸福への奉仕につながるものでありたい

これぞ、「わがまま」に生きることの本質なのかもしれません。

脚注:

  1. Emotional contagion、Wikipedia
  2. Jonathan Z. Berman & Deborah Small、”Self-interest without Selfishness: The hedonic benefit of imposed self-interest”、The Wharton School, University of Pennsylvania、2012年9月
  3. Leonora Desar、”The Truth About Sacrifice”、2013年7月22日

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