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ローマ時代へタイムスリップ! 1700年の眠りから覚めたポンペイ遺跡

ローマ時代へタイムスリップ! 1700年の眠りから覚めたポンペイ遺跡

2016年12月22日 • Travel

食に文化に芸術にモードに……と、楽しみがつきないイタリアの旅ですが、ローマをはじめ古代より文明が栄えていたかの地では、古代遺跡めぐりもまた旅の大きなハイライトのひとつ。

ナポリを訪れたらぜひ足を伸ばして欲しいのが、ナポリ郊外に位置するポンペイ遺跡。紀元79年8月24日のヴェスヴィオ山の大噴火によって、忽然と歴史から姿を消したこの悲劇の古代都市は、16世紀末に発見され、1860年に本格的な発掘が行われるまで、なんと約1700年もの間永い眠りについていた数奇な運命の遺跡です。

一瞬にして時を止めた悲劇の古代都市、ポンペイを歩く

なだらかに美しい稜線を描くヴィスヴェオ山を背景にひろがるポンペイは、典型的なローマ帝国時代の都市形成がされた街。その歴史をさかのぼると、紀元前8世紀ころには存在していたことがわかっています。

ローマ時代へタイムスリップ! 1700年の眠りから覚めたポンペイ遺跡

商業が盛んで、経済・文化的においてもおおいに繁栄し、最盛期の人口は約2万人。裕福なローマ人の別荘地のひとつでもありました。下水道が完備され、市民の社交の場として円形闘技場や劇場、公衆浴場があり、すでにバーや居酒屋といった類のお店も賑わい、その生活は現代の私たちのそれとほとんど変わらないものであったそう。

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遺跡を歩いてみると、今でもはっきりと街の形を保っていることに驚きます。通りはきっちりと碁盤の目状に整えられ、一部欠けたり陥没したところがあるとはいえ、整然と整った石畳の道や塀が並び、居酒屋や食堂だったと思われる建物には鮮やかな色彩に彩れた壁画が残ります。

約2000年も昔の遺跡と呼ぶにはあまりも生々しく、訪れた人は、ポンペイの人々の生活が今もそこに存在していてもおかしくないような錯覚に陥るのです。

実は、ポンペイが朽ちずにこうして現存しているのは、この街が1700年もの間火山灰の中に埋もれていたことに理由があります。

ヴェスヴィオ山の大噴火では火砕流が一瞬にしてポンペイの街を5メートルの深さに飲み込み、その後3日3晩火山灰が降り積もったのですが、火砕流堆積物には余分な水分を吸い取り乾燥させる成分が含まれているのです。

火山灰の中に街全体が閉じ込められたポンペイは、文字通りそのままの形で眠りにつくことになり、18世紀に発掘されるまでの間、劣化を最小限にとどめながら時計の針を止めていたというわけです。

ローマ時代へタイムスリップ! 1700年の眠りから覚めたポンペイ遺跡

そんなタイムカプセルに封じこめられたまま1700年もの歳月を過ごしたポンペイの街も、眠りから覚めた今、急速に劣化のスピードを速めています。イタリア政府や専門家たちの尽力によるポンペイ遺跡の保護&保管も、雨風や自然災害による時の経過には到底追いつかないよう。

2000年の時を経てようやく風化の道をたどるポンペイの奇妙な運命に、あなたは何を思いますか?

Photo: Mayu Kobayashi

  • イタリア・ポンペイの位置


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