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アラブとヨーロッパのメルティングポット ~エキゾチックな港街パレルモ~

アラブとヨーロッパのメルティングポット ~エキゾチックな港街パレルモ~

2016年11月24日 • Travel

イタリアで5番目に人口の多い街であるパレルモは、シシリー島最大の都市。地中海に面した港街で、三方を山に囲まれた自然豊かな地でもあり、背の高い重厚な建物が建ち並ぶ目抜き通りからも美しい稜線を描く山々の姿を望むことができます。

街の歴史は、紀元前8世紀ころフェニキア人の交易拠点となったことに始まり、以後、シシリー島の他の街と同じように様々な民族による支配が繰り返されてきた場所。10 世紀にはイスラム王朝の首都として栄華をほこり、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が共存。11世紀になるとノルマン・シチリア王国としてアラブとヨーロッパの文化が融合した独自の都市文化を形成しました。

ヨーロッパの古い街は、街全体が博物館のようなものですが、アラブとヨーロッパが共存した歴史を持つパレルモの街には独特の様式美を発見すると思います。石造りの街並みの間から顔をのぞかせる赤いドームはイスラム時代のモスク。

街の辻には、優美なバッロク様式の大きな噴水や存在感たっぷりの表情で宙を見つめる大理石の彫像が並びます。そして、そんな重厚な街並みに情緒を添えるのが、大きく枝を広げる南国ムードたっぷりのシュロの木のグリーン。路地裏にはアラブ統制時代を彷彿させる迷路のようなメディナ的空間が広がるのも、異国情緒を盛り上げます。

ローマ、ギリシャ、ビザンチン、バロックにイスラム-時代が奏でた美の回廊を歩く-

「マルトラーナ教会」「サン・カタルド教会」「サンタ・カタリーナ教会」「パレルモ大聖堂」「王宮」などパレルモ旧市街には見どころいっぱいですが、個人的に一番印象に残ったのが「ジェズ教会」と「パラティーナ礼拝堂」。

アラブとヨーロッパのメルティングポット ~エキゾチックな港街パレルモ~

「ジェズ教会」は、イエズス会の母教会として1568年から75年にかけて建設された教会で、フラシスコ・ザビエルの右手のミイラが納められています。壁から天井はもちろん、柱や床の隅々にいたるまですべてがバッロク様式の装飾で埋め尽くされている様子は見事。けっしてバロック趣味ではないのですが、ここまでやり切られるともはや降参。

アラブとヨーロッパのメルティングポット ~エキゾチックな港街パレルモ~

対する「パラティーナ礼拝堂」のほうは、目もくらむような黄金のモザイクで埋め尽くされたキラッキラな空間。天井と壁に描かれたビザンチン様式の宗教画は荘厳というよりも、圧巻という言葉がふさわしいもの。どちらも一体何が人々をここまで駆り立てたのだろうか?と当時の権力者の胸中に思いを巡らわさずにはいられません。

アラブとヨーロッパのメルティングポット ~エキゾチックな港街パレルモ~

そして、パレルモといえばイタリアで一番、ヨーロッパではパリとウィーンに次いで三番目の規模を誇るマッシモ劇場も忘れてはなりません。旧市街と新市街の真ん中に位置するランドマーク的存在で、ネオクラシック様式のその堂々たる風情は、『ゴッド・ファーザー3』のワンシーンにも登場しているので、鮮烈な記憶として残っている人も少なくないと思います。夜、ライトアップされたマッシモ劇場の威風堂々たる姿も美しく、周辺は賑やかに仲間との語らいを楽しむ市民の憩いの場となっています。

Location
1枚目:パレルモ市街 2枚目:ジェズ協会
3枚目:パラティーナ礼拝堂 4枚目:マッシモ劇場
Photo:Mayu Kobayashi

  • イタリア・パレルモの位置

脚注:メルティングポット(英: melting pot)とは、多種多様な民族が混在して暮らしている都市、またはその状態を表す言葉。wikipediaより


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