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美しきシシリー島のビーチタウン、古都チェファルーの風景

美しきシシリー島のビーチタウン、古都チェファルーの風景

2016年9月2日 • Travel

イタリア人は海が大好き! バカンスシーズンになれば、みな家族や友人たちとともに海辺の町で過ごすのが一般的で、長靴型をしたイタリア半島の一番先、アフリカ大陸との間に浮かぶ地中海最大の島シシリー島には、夏ともなればイタリア人はもちろんヨーロッパ中から美しいビーチを求めて人々が集まります。

そんなシシリー島の北側、パレルモから東に約70kmに位置し、ティレニア海に面した断崖絶壁の下に突如現れるのがチェファルーの街です。ご多分にもれず、夏には多くのバカンス客たちの姿であふれ、ビーチにはカラフルなパラソルが大量に風にはためき、通りに張り出したカフェやレストランのテーブルでは夜遅くまで食事やワインを楽しむ人々の声が響きます。ここだけ切り取ってみると、シシリー島のリゾートタウンのひとつというイメージですが、実はチェファルーはビーチタウンとしてより、城砦の街としてのほうがはるかに長い歴史を持っているのです。

美しきシシリー島のビーチタウン、古都チェファルーの風景

西洋とイスラムが息づく城砦の街歩き

青い海と切り立った絶壁に挟まれ、まるで岩壁に守られるように佇むこの街は、BC1500年頃イタリア半島からやってきたシクリ人によって築かれたのが始まりで、もともとは岩の上につくられた街だったそう。BC394年に、シチリア最強のシラクサ軍の征服によりギリシャ人の町となり、その後ローマ、ビザンチン、イスラムの時代を経て、ノルマン・シチリア王国時代に今のように岩の下に広がる街が形成されたのですが、岩壁の上から下へと街が降ろされる歴史というのもなかなかユニークに聞こえます。

石畳の坂道が連なる旧市街は、今でも古都の風情そのままで、細い路地を曲がるたび次にどんな風景が目に飛び込んでくるかとワクワクさせられます。中心部には、ブティックやお土産物屋をはじめ、オリーブオイルやワインなどの専門店、ジェラートショップ、ピザスタンド、カフェ、レストランなど、ありとあらゆるお店が並び、陽気なイタリア人たちよろしくなんの目的も持たずにぶらぶらと歩くのがおすすめです。

広場で人間ウォッチングをしたり、土産物売りと他愛ない会話を楽しんだり、冷たいグラニータやビールで一休みを決めこんだり。「中世の洗濯場」と呼ばれる当時の洗濯場では、観光客たちが疲れた足をひんやりとした川の水に浸し涼を取っている姿に出会います。

美しきシシリー島のビーチタウン、古都チェファルーの風景

街のどこにいてもその姿を覗かせる大聖堂の存在も忘れてはなりません。ノルマン時代の最も壮大なモニュメントとも言われるこの大聖堂には、西洋とイスラム・ビザンチン文化圏の異なる社会・文化要素の見事な融合が散りばめられ、シシリー島を代表する文化遺産として、2015年にはパレルモの建造物群などとともに世界遺産リストにも登録されています。

遺跡の上から眺める、シネマチックな街の色彩

さて、チェファルーに来た旅人が必ず訪れるのが、旧市街を見下ろす崖の上に建つディアナ神殿。9世紀に至聖所として建てられたこの神殿から眺めるチェファルーの街の風景はクロアチアのドゥブロヴニクにも負けず劣らずの絶景です。真っ青に輝くティレニア海へと連なるレンガ色の屋根と、美しく弧を描き広がるビーチ、その向こうに続く緑の山々の稜線も美しく、まるで一枚の完璧な理想の風景のように浮かびます。

そして、さらにその頂上を目指すと、13世紀の城の廃墟に辿り着くのですが、ここからの眺めはさらに開放感にあふれるもの。遠く水平線を眺めながら、岩壁の上に街を築き上げた人々が生きた時代へと想いを馳せてみたくなるかもしれません。

ちなみに、チェファルーは映画『ニュー・シネマ・パラダイス』で海辺のシーンのロケ地であった場所。日本ではまだまだあまり馴染みのない街ですが、映画ファンの間では知る人ぞ知る街のようです。

美しきシシリー島のビーチタウン、古都チェファルーの風景

  • イタリア・チェファルーの位置

Photo:Mayu Kobayashi


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