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自分の欲を知り、喜びにあふれた毎日を

自分の欲を知り、喜びにあふれた毎日を

2015年12月28日 • Mind & Heart

あなたは日々、仕事や家庭や人間関係など人生において、何を大切にしているでしょうか。どんな事に喜びを感じて生きているでしょうか。

アブラハム・マズローは、人間の高次な側面(可能性、創造性、成長、価値、自己実現など)にフォーカスした“心の健康”についての心理学を確立したアメリカの心理学者です。人間は基本的な欲求を適度に満たされれば停滞することなく更に成長し、心理的により健康になっていくという“人間の自己実現に至るまでの欲求の変化”を低次元から高次元までの段階的に整理した「欲求段階説」を提唱しました。

【マズローの欲求5段階説】

自分の欲を知り、喜びにあふれた毎日を

①生理的欲求

水、空気、食べ物など生きていくために必要な食欲、性欲、睡眠欲などの生存欲求

②安全の欲求

安全に暮らしたいという、衣食住や継続・保持、恐怖・不安に対する防衛本能などの安定欲求

③愛と所属の欲求

集団欲求、社会や仲間や他者との愛情関係などの心のつながり

④承認欲求

有能さや貢献するなどの自尊心、社会や他者から認められたいという欲求

低いレベルでは、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることであり、高いレベルでは、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得るという、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される

⑤自己実現欲求

自分の存在価値、能力や可能性を最大限に発揮したいといった精神的な満足

あなたは現在、どの欲求を重要としているでしょうか。

“生きること”から始まって少しずつ満たされていくと、人間は最終的に自己実現欲求に行きつきます。 “自分のため”という利己的な欲求は欠乏欲求と言われ、一時的な満足はあっても永遠には満たされないのです。他方で“誰かのため”という利他的な欲求は自己実現欲求とされています。ここで重要なのは、“誰かのため”という欲求が自分の喜びなのか?苦しみなのか?ということです。

誰もが多かれ少なかれ、様々な欲を持っています。どのように満たされるか、どの程度で満たされるのかは、それぞれの“快”のとらえ方により心の動きや発言・行動に影響してきます。自分は、本当はどんな快を欲しているのかを見極めていくことが人生を豊かで幸せなものにしてくれます。

そして、自己実現欲求のさらに上に『自己超越欲求』があります。これは、自分という枠を超えて全てと一体となるような最高に幸福な状態に至りたいという“自己を超える”最高次の欲求で、素晴らしい幸福感、最高の充足感を感じる瞬間である“至高体験(ピークモーメンツ)”や、時間や空間や自己の能力の枠を超えてしまったかのような感覚である「ゾーンに入る」といったフロー体験、宇宙や全ての存在との神秘的な一体感を覚えると報告されています。

そういった人たちは「生かされている」といった価値観を持ち、人生・仕事などの決断に不安がなく絶対的な感覚を信じていて、「私が私が」という自意識から離れ、何かの使命に生かされている無我の状態であり、必要なタイミングで出会いや偶然(シンクロニシティ)が頻繁に起こることも共通しています。

ヨガは“自己を知ること”です。本当の自分と向き合うこと、自分と繊細につながっていられること。すぐに外側に向かってしまう意識では、心はさまよい続け集中することが出来ません。心がとらわれたり、束縛されることのない“本当の意味での自由”を目指すために、気をそらす欲望から心を離す『ヴァイラーギャ=離欲・無執着』を実践していきます。

手放す欲は私的なものであり、他人の苦しみを軽減したり、奉仕することには貪欲であれとされています。背後に個人的な動機、利己性を持たない純粋で無私な欲は、期待というものがなく、結果に縛られることがないため、決して苦はなく平安です。

欲しくて手に入れたもの、楽しいことであっても“利己的”な思いは、結局は苦をもたらし、持てば持つほど苦しみは増えます。持たないこと、与えることには大きな喜びがあり、持たないからこそ“自己”を持つことが出来るようになります。奉仕すればするほど、より大きな幸せを味わい、調和的な幸福の世界に自らの平安を持つことが出来るのです。自分がハッピーで、周りもハッピーで、一緒にいてみんなが楽しい。心が私的な利害から自由である時、仕事や役割やパフォーマンスを十分に行え、それは楽しくて喜びや幸せに満ちたものとなります。自分の中の様々な欲を吟味して無私の思いを育むように。心の中で“思い”が湧き上がる瞬間を注意深く見つめること、それこそがヨガの練習なのです。

あなた自身に問いかけてみてください。Have(何を手に入れたいのか)→Do(何を成し得たいのか)→Be(どう在りたいのか、どんな自分でいたいのか)を。欲しい、手に入れたい、ちょうだいの欲求なのか、分け与えることで満たされていく欲求なのか。

私たちは生きている限り、人との関わりが不可欠であり、人との関わりによって幸せや喜びを広げていけることができます。人に与えてもらう幸せだけでは満たされません。自己実現者は、人に依存しないで人に与える幸せを作っていける欲を持っています。自分1人が嬉しいよりも、自分やみんなが嬉しいを叶える欲を大切に、自分の人生をより豊かにデザインしましょう。

参考:
日本メンタルヘルス協会 Advance Course
スワミ・サッチダーナンタ著 『インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガ・スートラ』 (めるくまーる)


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