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「幸感力」インタビューVol.5「幸せは日常のどんなに小さなことにでも感じられるもの 株式会社ドマ代表取締役 澤木映里さん」

「幸感力」インタビューVol.5「幸せは日常のどんなに小さなことにでも感じられるもの 株式会社ドマ代表取締役 澤木映里さん」

2015年6月12日 • 「幸感力」インタビュー, Movies & TV, Work

幸感力インタビュー

今回のインタビューは映画の配給会社である、株式会社ドマを経営する澤木映里さん。心に響く素晴らしい映画を配給している澤木さんに、映画について、そして澤木さんご自身の「幸感力」についてお聞きしました。

プロフィール
澤木映里
成城大学文芸学部 芸術学科映画専攻卒業。株式会社コムストックで、「美しき諍い女」、「無伴奏シャコンヌ」「とまどい」、「デュラス~愛の最終章」、「ストレイト・ストーリー」、「アレックス」、「インファナル・アフェア」など良質なアート映画の買付・劇場宣伝を担当する。ニューヨーク留学後、カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞作品「4ケ月、3週と2日」、「きつねと私の12か月」、「やさしい嘘と贈り物」などの買付に加え、DVD制作・営業、テレビ権販売を手掛ける。ドマ創設後は、「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」、アカデミー賞外国語映画賞受賞作品「別離」、「ビル・カニンガム&ニューヨーク」など、時代の魂にこだわる作品を送り出す。
”私自身の心に響く映画を配給”

– 澤木さんが経営する「株式会社ドマ」について教えて下さい。

澤木映里さん(以下 澤木 敬称略):2009年に設立しました。映画を買い付け、配給する会社です。自分の心に響いた映画を海外で買い付け、日本の皆様にご紹介をしています。配給する映画は年に2本と、他の映画会社に比べ少ないですが、私が良いと思う映画だけを扱って公開しています。

「幸感力」インタビューVol.5「幸せは日常のどんなに小さなことにでも感じられるもの 株式会社ドマ代表取締役 澤木映里さん」

イラン国営放送の取材(テヘラン、ファジル国際映画祭にて)

買い付けにはカンヌやベルリンをはじめとする、様々な国の映画祭に行きます。映画祭というと「レッドカーペット」といった派手なイメージがあると思いますが、そういった場所ではなく「見本市会場」に行き、買い付ける映画を見たり商談をします。先日もカンヌ映画祭に行ってきたばかりです。カンヌ市内には映画館が数多くあり、映画祭の期間はその映画館でも売り手が買い手に見せるための試写を行っています。それを見に行ったり商談をしたりと、映画祭の期間中は朝から晩まで駆け回っています。

– 澤木さんが映画を買い付けるときに大切にしていることはなんですか?

澤木:映画を見た方が、何かを得るものがあったと感じてもらえる作品を探しています。ジャンルには特にこだわりはありません。ドキュメンタリーも多く扱っています。

– 国内外お気に入りの映画館は?

澤木:たくさんありますが、国内では、シネスイッチ銀座、文化村ル・シネマ、TOHOシネマズ日本橋、飯田橋ギンレイホール。海外、特に留学していたニューヨークではAngelika Film Center、Sunshine Cinemaがお気に入りです。

現在では、旧作映画を上映する映画館である名画座がなくなりつつあります。これは映画人口が減少している原因の一つではないかと思っています。

”全ては「人」である”

– 独立して会社を立ち上げた経緯を教えてください。

「幸感力」インタビューVol.5「幸せは日常のどんなに小さなことにでも感じられるもの 株式会社ドマ代表取締役 澤木映里さん」澤木:一会社員としてでも自分が好きな映画を買える場合もありますが、やはり経営者の判断で決まります。私は自分の好きな映画をやりたいというのが、会社を立ち上げた一番の理由です。映画は私に夢を与えてくれました。それで私も、夢や幸福を与えられるような映画を紹介したいと思ったのです。現在も夢を叶えている途上です。

– 経営者として大切にしていることは何ですか?

澤木:どんな場合でも自分に正直であるように心掛け、儲けだけではなく、自分の会社として誇りに思える仕事をするよう努めています。良い仕事をしていると、必ずお金は後から付いてきます。目先の仕事よりも長期的な視点でどう人間関係を作るのか、仕事をしていくのかを考え、好きな人や働きたい人と仕事をするようにもしています。独立したばかりの頃、多くの人に助けられ、人のありがたみを強く実感しました。このような経験からも、人をとても大切にしています。

– 気分転換には何をしますか?

澤木:散歩をします。映画の買い付けは、文化を紹介するわけですから、美術館に行ったり映画を見たりと、常に感性を磨くよう心がけています。とはいえ、好きなことを仕事にしているので、オンとオフの差があまりありません。私は会社員から独立し、経営者になりました。経営者は、全てが自分の判断で自己責任となりますが、仕事を全てコントロールできる環境になったことでストレスが減りました。土日も仕事をしますし、海外とのやり取りがあるので時間は不規則ですが、会社員だった頃と比べるとストレスは少ないです。

”道端に咲く花を愛でる心”

– 幸感力を高める、澤木さんお勧めの映画を教えてください!

澤木:「ラブ・アクチュアリー」は見ているだけで幸せな気分になります。「スター・ウォーズ」は私が映画に夢中になるきっかけとなった作品です。これを見たときに、映画とはビジュアルや音楽も含めた総合芸術であると再認識しました。

現在、私が買い付けた「奇跡のひとマリーとマルグリット」が公開中です。これは実在した人物のお話です。生まれつき三重苦の少女マリーが、ある修道院に預けられ、手のつけられない粗暴な子が、不治の病を抱えた修道女の深い愛と努力によって、手話を学び、人間として成長していく奇跡の実話です。去年のカンヌ映画祭で見て、今までの買い付け人生の中で、一番感動し、涙したので、必死で買い付けました。この作品で、人に与えたものは、相手を返して自分に返ってくる。それが人生であるということを改めて気づきました。ラストシーンを思い出すだけでも、涙がでてきます。生きることの素晴らしさを感じ、明日の希望が見える、そんな作品です。まさに、幸感力高める映画です。

「幸感力」インタビューVol.5「幸せは日常のどんなに小さなことにでも感じられるもの 株式会社ドマ代表取締役 澤木映里さん」

「奇跡のひと」主演女優アリアーナ・リヴォアールと(成田空港にて)

– 澤木さんが考える「幸感力」とは何だと思いますか?

澤木:どんなことに対しても好奇心を持ち、素直に感じ表現する力だと思います。素直な心で先入観をなくして物事を見ると、どんなことにでも幸せを感じることができます。道端に咲く花の美しさに気づいたり、幸せは日常の些細なことにでも感じられるものです。それを感じ取れる感性を持つことこそが「幸感力」なのではないかと思います。

– 澤木さんご自身の「幸感力」は何だと思いますか?

澤木:ポジティブなところ、常に明るく前向きなところだと思います。明るくしていると、良いことが舞い込んでくるんです。

「奇跡のひと マリーとマルグリット」

あなたに伝えたい。 言葉の力、世界の輝き、そして生きる喜びのすべてを――。 ふたつの魂が出会い奇跡を起こした、もうひとつのヘレン・ケラー物語

聴覚障がいの少女たちが暮らす修道院に、目も耳も不自由な少女マリーがやってきた。教育を一切受けずに育ったマリーは野生動物のように獰猛で誰にも心を開かない。不治の病を抱え余命いくばくもない修道女マルグリットは、残された人生をかけてマリーに”世界”を与えるべく教育係となる。困難の末ついにマリーが言葉を知る日がやってくるが、二人の別れの時間は目前に迫っていた――。母のように惜しみなく愛を注ぎ、知識を分かち、命をつなぐ―。迫りくる死の気配を感じながらマルグリットがマリーに与えたのは「喪う悲しみ」より多くの「生きる喜び」だった。19世紀末、フランスポアティエ地方に実在したふたりの女性による感動のトゥルー・ストーリー。

http://www.kiseki-movie.jp/
「シネスイッチ銀座、シネ・リーブル梅田他にて公開中」

取材・文・撮影/成松 阿留奈


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