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“間”を大切に~静寂が生み出す無限の可能性~ 

“間”を大切に~静寂が生み出す無限の可能性~ 

2015年2月16日 • Mind & Heart

美術館や図書館やコンサート会場、お寺や神社、大自然が作りだす静寂、また、空に打ち上げ花火が上がって、開く前の一瞬の“間”。大きなエネルギーが放たれる前の、人の心が動かされる直前の、一瞬の静けさ。そこには「無」という宇宙が広がっています。この“無”は「無い」ではなく、“無限”という「在る」なのです。

ヨガで1番大事にしている呼吸でも、深く吸う・吐く・吸う・吐くの間に、そこに一瞬に広がる宇宙を感じます。静寂は感覚を鋭敏にしてくれる。目には見えない自分の心や身体に向き合い、相手やその場の空気を感じ取る。ベストな選択をするために。

“究極の在る”である“無”を自分の毎日に上手に取り入れて、「間」を大切にしてみましょう。

【間がもたらす“無”の気持ち良さを知る】

ヨガや瞑想で得ていくことは、呼吸を通してエネルギーが滞ることなく広がっていく瞬間に、決めつけやとらわれ・執着・固定観念から解放され、心も身体も自由にしてくれます。自分で作りだす“限定するクセ”が消えて、この調和する力が“つながる”ということなのです。自分の意識よりもっともっと深い場所で潜在的につながることで、クリエイティブで革新的で柔軟性のある自分の可能性が広がっていきます。

ヨガを学ぶということは、「自我」を学ぶということであり、「自我」は身体の中に存在しています。ヨガとは「心、呼吸、身体の統合」。意識を内側に向けて、自分自身に気づく練習なのです。

【しゃべり過ぎない】

ヨガの哲学では“しゃべり過ぎること”で舌が本来持っている力が減少し、話す力が損なわれると説明されています。話す力が損なわれると、私たちの言葉も力を失い、なにをしゃべっても社会における価値がなくなってしまうと。しかし、精神性の高い事項について話せば舌の力は増し、そうすれば世の役に立つ。反対に世俗のつまらないことについて話せば舌の力は損なわれ、寿命が短くなると伝えられています。

【じっと待つこと】

我慢ではなく、待てるという能力。何かをコントロールしようとせず、今ココに静かにたたずみ安らぐ。あれこれと展開しようとするマインドを手放して、今この瞬間に意識を向けてみることで、本質に近づく。“間”というスペースが出来ることで、本当に必要な思考や現実や言葉と出会えるのです。

【沈黙を活かす】

無になることで生まれる一体感。意識があるうちは「相手とわたし」「わたしとわたし」別々なもの。情報や損得でしか関われていない条件つきの関係です。

マインドが静かになっていくと、自我が取り払われて「ただ、いる。そこに、いる。」という関わり。魂に近づいていきます。比較なしに存在している“ただある”は唯一。大切に思い、信じてあげることが出来る。わたしであることに、あなたであることに喜び、満たされていく。そんな安心や信頼から、表面では見ることが出来ない相手や自分の思いを知るきっかけとなるのです。

仏教の教えである「空」の思想とは、諸行無常(この世のすべての存在は移り変わる)や、諸法無我(この世のすべての存在には実体がない)、縁起(この世の存在の変化には必ず原因がある)という、“関わることで存在するこの世のすべての存在に実体はないこと”を言っています。「空」であることを見極めれば、執着は生まれず、ありとあらゆる苦しみから解放される教えです。

般若心経の中にある「照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)」とは「五蘊はことごとく“空”であると見極めた」という意味です。人間や世界は「五蘊」と呼ばれる、客観的な物質世界と主観的な精神世界の5つの要素が集まって一時的に存在していて、永久不滅の実体や本体はなく、自分のものにすることはできない。「皆空」=すべてが“空”であり、富・権力・人の心はかりそめという。

ヨガの哲学ではこれを、サンスクリット語で「マーヤ(まぼろし)」と言います。「自分が思う自分は99%自分ではない」のです。あなたの毎日は、あなたのフィルターを通して物事を見て、とらえて、味わっているだけなのです。

楽しい、嬉しい、悲しい、苦しいという気持ちは自然なものです。もし、そこから生まれる様々な悩みがあなたの笑顔を消してしまうのならば、ぜひあなたはいつでも自由になれることを知っていてください。

“無”になる静寂がいつも自分の中にあれば、無限の可能性が広がるのです。あなたが自ら限定することない潜在的な能力が引き出されます。心が苦しくなったり、頭が騒がしくなったら、1度そこから離れて、目を閉じてゆっくりと呼吸に意識を向け、静けさの中にゆだねてみる。忙しい毎日、ふとした“間”を活用してニュートラルな自分で、ココロ軽くやわらかくいられますように。

参考文献:
「最強のヨガレッスン」 レスリー・カミノフ PHP研究所
「ヨガ・マーラ」 シュリ・K・パタビ・ジョイス ガイアブックス
「仏教の本」 太田由紀江 西東社


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