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東洋医学のケアで土用の不調を整える

東洋医学のケアで土用の不調を整える

2015年7月8日 • Health

季節の変わり目は体調を崩しやすいと言われます。外気や生活習慣の変化とともに、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間を「土用」と言います。その考え方である陰陽五行説(木・火・土・金・水)では、「土」が土用の時期であり、一般的には立秋前の18日間の夏土用をさします。今年2015年の夏土用は7月20日~8月7日(ちなみに土用の丑の日は7月24日と8月5日)です。

病気までいかない「未病」の改善に有効な東洋医学では、不調は体内の“気・血・水”のバランスが崩れていることが原因であり、全体のバランスを整え根本から治すことを目的としています。

五行説で「土」に対応する臓器は「碑(ひ)」であり、「胃」とペアで変調を招きやすくなります。消化・吸収に関わり、血をコントロールする役割を持っている「碑」の働きが落ちると、食欲不振や胃腸が働かず、生命エネルギーである「気」が作られずに、やる気が出ない、疲れやすいなど「気虚(ききょ)」の症状が出ます。

食欲が落ちる、腹痛、消化不良、吐き気、下痢など消化器に関わる症状や全身の疲労、気力・抵抗力も弱くなります。また、「湿邪(しつじゃ)」という外気の影響も重なり、体内で水が停滞する「痰湿(たんしつ)」という症状は、顔や手足のむくみ、顔色は黄色がかったり、痰がたまってせきが出るなどの不調も現れます。そして、血のコントロールが出来ずに血が漏れてしまうといった鼻血や皮下出血といった症状も。「碑」は筋肉、口とも強い関わりを持っているため、しゃっくり・よだれが出る、全身の筋肉が落ちる、食べ物の味が分からなくなったりもします。

変調をまねく原因である「座」、「思」では気・血・水を停滞させてしまうので、運動やウォーキングの習慣を取り入れ、過剰に思い悩まず、今できることに楽しみを見つけて行動してみましょう。

「碑」を養うには、消化に良いものを食べることを意識して、食べ過ぎや冷たいもの、甘いもの、脂っこいものは控えます。食養生という考え方では、食べ物も薬も元は同じであるという「薬食同源」として、自分のからだに合った食べ物を毎日のメニューに加えることで、体質改善・病気の予防・健康促進を行います。基本的には旬の食べ物、地元の食べ物をバランスよく食べると、からだの内部と周りの季節が調和して、より健康な身体に変わっていくことが出来ます。 1

「碑」の働きを調整する五味は「甘」。筋肉や臓腑のこわばり・からだの緊張を緩め、のどや胃の痛みにも効き、血を補う働きもある滋養効果の食材としてブロッコリー、キャベツ、サツマイモ、大豆、香菜(パクチー)。気が足りない「気虚」には大豆、ジャガイモ、サツマイモ、アスパラガス、カボチャ、アボカド、ブドウ、シイタケ、サケを、水の循環が悪い「痰湿」には大根、ウメ、リンゴ、アスパラガス、なす、ブドウ、昆布、わかめ、そら豆やえんどう豆を取り入れてみてください。

「陰ヨガ」では中医学の陰陽五行説をもとに、気と血が流れる通路である「経絡(けいらく)」を刺激して身体の奥深い内側に働きかけ、五臓六腑を整えていきます。

「碑」を整える「足の太陰碑経」は、足の親指から始まり、脚の内側から腹部・胸部を上り、脇の下まで21のツボが点在する碑や胃を通る経絡で、全身の倦怠感や胃の症状を改善して、血の調整を行います。陰ヨガではポーズを3分~5分ホールドして、表層の筋肉の緊張を解放し、さらに深い結合組織や経絡にまで働きかけます。静かなポーズの内側では激しく気・血・水が流れ、内臓が活性化して、動きは少ないですが身体の芯からポッカポカになります。柔軟性も増してエネルギーや呼吸が流れやすい身体に変化することと、ゆったりとした呼吸で長い時間をかけて身体をほどいていくため、リラックス効果と瞑想への準備にもなります。

ぜひ、土用の不調にとらわれない自分に合ったメンテナンスを行って、健やかな夏を過ごしてくださいね。

参考:
・佐藤弘/吉川信著「いちばんわかりやすい東洋医学の基本講座」 成美堂出版
・仙頭正四郎監修「図解 東洋医学 基本としくみ」 西東社
・平地治美著「げきポカ」 ダイヤモンド社

脚注:

  1. 医食同源、ウィキペディア

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