MENU
同意して使命を生きる

同意して使命を生きる

2017年3月6日 • Mind & Heart

ジャーナリストの池上彰さんは、人事異動でまったく望んでいなかった“週刊こどもニュース”のキャスターをすることになった経験により、ニュースを分かりやすく、かみ砕く力を磨くことができたと語ります。彼のようにすべての経験を糧にしていけるのは、状況を受け入れて向き合ったからこそ。ある事をきっかけに、本来自分がやりたかった事柄や自分の適性を新たに発見する人たちは、「自己への執着」を手放し、社会の調和のために仕えた結果、使命として恩恵を得ていくのです。

Omオームとは「応じる/オーケー」という“同意”すること

ヨガの経験がある方は、Omオームを唱えたことがあるのではないでしょうか。宇宙の始まりの音、根源の音と言われる聖音Om(オーム、ॐ、AUM=あうん)を唱えている時、その聖なる響きと静寂の中で、集中力と平安に満たされ、心や意識が浄化されて“本来の自分”である“ただ在る”状態を味わいます。

チャーンドーギヤ・ウパニシャッド聖典(第1編1章8節)
『まさに、このオーム(あう・ん)なる音は同意の際の言葉“オウ”である。それというのも、人が何かに同意する際に発するのは、単純に“オウ”という言葉だからである。そして、同意された事柄はすなわち、成就されたことになるのである。』

同意って何に? 誰に?……それは“天に”です。天に同意するのです。この神聖なOmオームの波動は、自分の中にもある神性なものと重なり調和していく音。自分自身にオームしているのです。

ヨガの考え方で“理智”とは、自覚(知性・感性)の機能に関わり、時間(過去・現在・未来)や善悪・好き嫌いの区別・識別の心理作用によって苦悩も生み出します。また、この理智が健やかさを保つことによりダンマ/ダルマ(自然の法、普遍の真理)に則った認知・判断が出来るようになり、ダンマ/ダルマ(使命)にかなった行動、生き方へと成っていきます。時間や空間、原因や結果を超える意識や“在る”状態。あなたは求められたこと、あなたが必要とされたことにただただ「Omオーム」するのみです。

人それぞれ、自分を超える方法が与えられる

聖路加国際病院名誉院長で105歳の日野原重明先生は
『人間はいのちという時間を与えられ、この世に生かされている以上、どんな人にも必ず果たすべき使命、いのちを使って成すべきことがあると僕は確信しています。その使命は、生涯をかけて追い続けるものです。使命とは、自分に求められているものであると気づいたとき、人は自分のいのちの本当の使いかたを見出し、自分らしい生きかたを始めることができます。』

また、『人間は2万2000個もの遺伝子を両親からもらって生まれてきます。でも、その大部分は使われないでいるまま。つまり、誰にでも未知の能力が眠っている可能性があるということです。人は未知の分野に挑戦すると、これまで使われていなかった遺伝子が、目を覚まして活動し始めます。』ともおっしゃっています。

乗り越えられない壁はやってこないように、あなたにしか出来ないことが、あなたに与えられる。圧力鍋、アイソメトリック、加圧トレーニングの効果が大きいように、自分にとっての多少のストレスや圧力というものは、人の中に潜んでいる可能性を引き出して、結果、自己存在を確立するきっかけであることが多いのです。

選ばれて与えられた役割を受け入れ“Omする生き方”。それはいつも、あなたの成長となるものとして訪れます。自分が出来る、出来ないではなく、精一杯向き合いながら、喜びを見出すことが出来るかを問われているのです。

静かでシンプルで平和な状態へ、外と内のバランスが鍛えられる“集中力と無執着”が人としての強さや大きさになっていきます。結果、幸福の質が上がり、純粋性や清々しい達成感やたくさんの優しさや喜びや笑顔を得ていくことになります。すべて、闇ではなく、光を見つけていくのが本当の目的なのです。

『人生に何を期待できるかではなく、人生から自分が何を期待されているかを考える』by オーストリアの精神医学者ヴィクトール・フランクル

人間の本質的な行動は「相手に分け与える」ことだそう。だから、与えることができない時や、握りしめていたり、手放せていない時は、本来の自然な状態ではないということです。“自然体”とは、自分が自分であること。以上でも以下でもなく、この自分のまんまであること。

必要とされることが“使命”であり、命が運ばれて運命となるのです。自己啓発や自分の欲望を満たすことばかりに必死にならないで、天から与えられた、求められたことにありがたく“Omオーム”するダンマ(自然の真理)な生き方を選んでいけますように。

参考文献:
・「<NHK同期入局組が語り尽くす>池上彰×大塚範一 白血病の『友』を見舞って」(週刊朝日)2015年3月13日号

・木村慧心著『ヨーガ療法士養成 前期(YIC)講座・講義資料集』(日本ヨーガ・ニケタン)

・日野原重明著『いのちの使いかた』(小学館)


« »