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7 Kouka San, Melissa King San - NAKAGAWA

【イベントレポート】ELLE Woman in Society 2016

2016年7月15日 • Food & Drinks, Lifestyle, Work

2016年6月18日、六本木アカデミーヒルズでエルが主催する働く女性のためのイベント「ウーマン・イン・ソサエティ2016」が開催されました。
アメリカで女性シェフとして活躍中のメリッサ・キングさんと、モデルのKOuKAさんの対談の模様をお伝えします。

左:メリッサ・キングさんElle cafe 青山店 エグゼクティブゲストシェフ)
右:KOuKA(こうか)さん(モデル)

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KOuKAさん:まずはメリッサさんご自身のことを教えて下さい。

メリッサさん:サンフランシスコでシェフをしています。約15年間、ミシュラン星付きレストランのスターシェフ達の元で働いていました。

私は4、5歳ぐらいの幼いころから自宅のキッチンで料理を手伝っていて、チキンスープやチャーハンなどの中華料理をよく作っていました。ずっとシェフになりたかったのです。両親はもっとちがう職業、例えば医者や弁護士を選んで欲しかったみたいですけど。

そして、大学では認知科学を専攻しました。内容は心理学的なものなので、常に大きいプレッシャーにさらされる厨房でのチームワークやリーダーシップに役立ちました。

KOuKAさん:現在の調理スタイルは、どのような料理から影響をうけていますか?

メリッサさん:中華料理、和食、イタリアンですね。私の料理スタイルはシンプルで純粋でバランスが取れていることが特徴だと思います。カリフォルニア州の食材の味わいを活かした料理です。

KOuKAさん:料理のインスピレーションはどこから?

メリッサさん:周りの物事すべてです。ファーマーズマーケットに行って地元の食材と出会うのもインスピレーションのひとつです。特に素材の色合いには影響を受けますね。オレンジと紫、オレンジと黒など、2つの色をテーマにした料理を作ることもあります。

食材を再構築する料理も面白いですよね。生の人参とローストした人参など、同じ食材で異なる調理をしたものを一つのプレートに合わせたりします。

スターシェフから学んだ高度な調理技術を使いながらも、より一般の方にも楽しんでもらえるような食の提案をしています。

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KOuKAさん:メリッサさんが参加したテレビ番組、『トップシェフ』について教えて下さい。

メリッサさん:『トップシェフ』はアメリカのリアリティ番組です。シーズン12に参加しました。16人のシェフが腕を競い合う番組です。プレッシャーやストレスの強い環境で、創造性を発揮していくことを学びました。どのエピソードにも課題があります。プロジェクターに写っている映像は私の母親が参加した会で、彼女が茶碗蒸しを作っています。結果トップ3のファイナリストになりました。テレビ番組では、『トップシェフ』の他にも『アイロンシェフ』が好きですね。

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メリッサさん:ぜひ、KOuKAさんのことも教えてください。

KOuKAさん:モデルをしています。モデルの仕事にはクリエイティブな側面があり、そこが気に入っています。12歳の時にスカウトされ、学業と両立してモデルの仕事を行なっていました。両親が厳しく、学校を休むことを許さなかったのです。でも、今はそうしてくれたことにとても感謝しています。そして、今年の9月から、栄養学の学校に通う予定です。

メリッサさん:栄養学について学ぶきっかけは?

KOuKAさん:香港とロンドンと東京で育ったのですが、食文化がまったく違ったことに影響を受けています。食文化の歴史や変化を知ることはとても興味深いですし、好きですね。そして、ランナーになってから、摂る食事でランニングのパフォーマンスが異なってくることを知り、栄養学に興味を持つようになりました。

それと、これは家族の話になるのですが、2014年に母が癌のステージ4と診断されました。その時日本の医師に、コリン・キャンベル博士の書籍、『チャイナ・スタディ』を紹介されたのをきっかけに、ホールフードでプラントベースの食生活を意識するようになりました。普段の食事がどれだけ健康に影響を与えているのかについて知り、衝撃を受けました。なので、野菜や色がたっぷりなメリッサさんの料理が大好きなのです。

メリッサさん:スーパーで並んでいるように、切られてラップされている状態で野菜が育つわけではないですよね。誰かが育てたものが、消費者のもとに運ばれているのです。私もサンフランシスコの栄養価の高い野菜を使うことで、地元の農家を支援していきたいと思っています。

15 ELLE Online Little Miss Oui character

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KOuKAさん:「ファーム・トゥー・テーブル・キュイジーヌ」について教えて下さい。

メリッサさん:生産者から直接食材を手にいれるスタイルです。アメリカでは、メキシコや日本から輸入される食材も多いですが、輸送中に食材の鮮度が失われてしまいます。

私はカリフォルニア出身で、グラスフェッドビーフ、アボカド、トマトなどがカリフォルニアの名産です。車で30分の距離の農家から仕入れることができるのに、なぜメキシコから輸入する必要があるでしょうか? 地元の食材を使うことは、サステイナビリティや環境保護にもつながります。

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KOuKAさん:「ホールアニマル・ムーブメント」について教えて下さい。

メリッサさん:動物を丸ごと使ってコースを調理していきます。スーシェフとして働いていたころに始まりました。写真に写っているのは鹿ですね。地元の新鮮で高品質な食材です。シェフとして、食材の命を知っていることは大事なことだと思うのです。でも、残念ながらアメリカではそういった考えはなかなか学べません。

私は、動物の骨からストックやソースを作ったり、ネギの青い部分からねぎ油を作ったりもします。そうやってなるべく食材の無駄を作らないようにしています。

このムーブメントには、消費者がそれぞれで食材のことを学び、理解していくことが大事だと思っています。

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KOuKAさん:ヴィーガンなどの食材が限定された食事に対応するのは大変ですか?

メリッサさん:ミシュラン星付きレストランや、プライベートシェフの経験で、さまざまなダイエットに対応した料理を作ってきていたので、それほど大変ではありません。

KOuKAさん:プライベートシェフをなさっていた頃の経験について教えて下さい。

メリッサさん:『トップシェフ』の出場の後、プライベートシェフをしました。オバマ大統領、オプラ・ウィンフリー、アル・ゴア、マドンナなどです。マドンナさんはコーシャー※対応の食事制限がありました。(※コーシャー:ユダヤ教で定める食事規定)

また、オバマ大統領はチェダーチーズが大好きです。角切りにしたチェダーチーズや野菜スティックを会議の合間に召し上がっていました。彼らがそれぞれに健康的な食生活を徹底しているのをみるのはとても面白かったです。

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KOuKAさん:『トップシェフ』にてトップ3のファイナリストでしたね。そして、エルカフェやホールフードマーケットなどでの仕事でも活躍されています。キャリアでこれほどまでに成功した理由は?

メリッサさん:『トップシェフ』の出場を機に、様々なチャンスが開きました。もちろんプレッシャーは大きいのですが、それに対応して得るものも大きいのです。

私の成功はハードワークと献身から来ているように思えます。どれだけ情熱をもって事に当たれるかです。

エルカフェ青山ではオープニングシェフを、ホールフードマーケットではアンバサダーを務めさせていただきます。日本に“ファームトゥーテーブル”というアイデアを持ってくること。そして、東京の食材で、ホールフードの栄養価の高い料理を提供することが目標です。

ELLE Cafe - NAKAGAWA

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KOuKAさん:休みの時間には何をしていますか?

メリッサさん:常に厨房の仕事で忙しいのですが、空き時間や休日には、ヨガやランニングをしています。体を動かすのが好きなのです。もちろん食べることも。仕事とのバランスを取りたいですね。

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KOuKAさん:ミシュラン星付きレストランでの経験はいかがでしたか?

メリッサさん:やはり男性ばかりの職場でした。現在女性のエグゼクティブシェフは少ないです。それを変えていきたいです。

KOuKAさん:男性ばかりの職場で、女性が活躍していくには?

メリッサさん:研修の時は、まともに取り合ってくれないこともありました。だからこそ、成長することを決心して、声を出して動いていくことが大事だと思います。学んでいくことに真剣であることを声に出して相手に伝えていくことです。

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メリッサさん:KOuKAさんの食生活はどのようなものですか?お気に入りの食材を5つほど教えて下さい。

KOuKAさん:まず、バナナ。バナナだけでも生きていけそうです。そしてデーツですね。メジョールデーツは栄養がいっぱい。あと、ヘルシーとは言い難いけれどお寿司も大好きです。そして梅干しとフムスも。ビーツを使ったセイボリーなフムスやチョコレートで甘くしたフムスなど、様々にアレンジができるのが素晴らしいと思います。フムスがもっと日本で広まるといいですね。

メリッサさん:エルカフェ青山のケールラップにはフムスが入る予定です。カシュークリームの入ったヴィーガン対応メニューですよ。

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メリッサさん:雑誌や広告の中の美しいモデルの写真に憧れる若い女性へのアドバイスは?

KOuKAさん:画像はものすごく加工されています。リアルなものではありません。数時間におよぶメイクアップ、完璧なライティング、チームでの撮影。完璧な写真にするまでには、多くのプロフェッショナルな作業が入っているのです。イメージが幻想であることをよくわかっている必要があります。

メリッサさん:モデルとして社会的なプレッシャーなどはありますか?

KOuKAさん:体重の維持ですね。そして、想像でいろいろ批判されることですね。虚栄心からだとか、自分のことばかり考えていると思われがちです。しかし、セルフィーをSNSに投稿するのは、もはや仕事の一部なのです。

あと、力うどんを食べている写真をシェアしていいか確認されたこともあります。周りがイメージコントロールを意識しているのです。おもしろい反応ですよね。もちろん、力うどん大好きですよ。

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KOuKAさん:普段はどんなものを食べますか?

メリッサさん:野菜とプロテインをたっぷり食べることを意識しています。体質に合う食事スタイルはひとりひとり違うと思います。

KOuKAさん:私は、ホールフード、プラントベースであることを心がけています。全粒穀物を食べますね。メリッサさんがベジタリアンになる可能性はありますか?

メリッサさん:職業上、全てを試食しなくてはならないので、食事制限することは考えづらいですね。

KOuKAさん:だれのために料理を作りたいですか?

メリッサさん:それは難しい質問ですね。今は日本の女性のために調理してみたいですね。ぜひエルカフェで体験してもらいたいです。

KOuKAさん:仕事をしている女性へのアドバイスは?

メリッサさん:自分自身で食について学ぶことを意識してほしいです。今食べているものは、どこから来て、どのように調理されているのか。揚げ物と蒸した魚、それぞれを選んで食べた後のそのあとの気分はどうか? 食事は自身の気分にも影響を与えていることを知ってほしいです。

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KOuKAさん:どんな日本食が好きですか?

メリッサさん:10ドルかそれ以下で食べられる、カジュアルな食事が美味しかったです。うどんやおでんなど、たくさんありますね。シンプルで家庭的な日本食が好きです。

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KOuKAさん:日本に好きな街はありますか?

メリッサさん:恵比寿、青山、中目黒など。中目黒の店舗の感じはサンフランシスコを思い出します。まだまだ日本を探求中です。

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KOuKAさん:スープを作るのが好きと伺いました。

メリッサさん:スープは野菜をシンプルに調理できる大好きな料理です。野菜の純粋な味がハイライトになります。スープを作ることは簡単ですが、スープの味を作っていくのはとても技術のいる難しいことです。同一のレシピでもシェフの調理技術によって味が変わってくるものです。シェフの技術が問われる部分でもあります。

KOuKAさん:清潔や整理整頓を重んじるシェフであることが、よく評価されますね。

メリッサさん:それはミシュラン星付きレストランの研修時に学びました。常に清潔であること、整理整頓されていること、ビジョンがあることが大切なのです。

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メリッサさん:これからの目標は?

KOuKAさん:ニューヨークでの栄養学の勉強ですね。そして旅行も。メリッサさんのディナーイベントにも行きたいです。

メリッサさん:今年の秋からエルカフェがはじまりますので、ぜひ来てくださいね。

KOuKAさん:メリッサさんの目標は?

メリッサさん:食とサステイナビリティについての教育ですね。そして、複数のレストランのオーナーになること。レシピ本を出版すること。最初の店は、サンフラシスコがいいですね。

KOuKAさん:どのようなレストランを想定していますか?

メリッサさん:ファインダイニングですが、それほど高価でなく誰でも来られるレストラン。 高い技術が求められるけれど、コンフォーティングな料理です。

メリッサさんKOuKAさん本日はありがとうございました。

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「ウーマン・イン・ソサエティ2016」。3回目の今年は、「人を幸せにする仕事~サステナブル・ワーク」をテーマにしたセミナーが展開。さまざまな分野の第一線で活躍する女性ゲストスピーカー達が同じく働く女性たちにエールを送り、その参加者は総勢1200名以上。大盛況で幕を閉じました。

3 Yamazaki San - KOBAYASHI
TSUK1433 Networking Party

EllE Woman in Society 2016
ELLE Cafe

 Photo:
Hisai KOBAYASHI
Tsukasa NAKAGAWA

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