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毎日を心豊かに幸せに生きるための「一日一善」

毎日を心豊かに幸せに生きるための「一日一善」

2015年2月26日 • Love & Relationship, Mind & Heart

最近聞かなくなった日本語の一つに「一日一善」というものがあります。私が子供の頃は一日一善を喚呼するCMが流れたり、家庭や学校でその大切さを教えられたり、書き初めで一年の目標として書いた記憶があり、生活に根付いていた言葉だったように思います。現代の子供たちは一日一善という言葉を知っているのかな、とふと疑問に思いますが、この教えは後世までずっと伝えていきたいですね。

もともと一日一善という言葉は、明治~昭和期の社会教育家、山本滝之助さんが広めたもの。1913(大正2年)出版に出版された著書『一日一善』の中で、自主的に取り組む事として「一日に少なくとも一つ善いことを行う」を提案し、日本全国にその教えが広まりました。 1

仏教にはその”善いこと”を私たちが普段から行いやすくするために、善を次の6つにまとめた「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる教えがあります。

・布施(ふせ)
・持戒(じかい)
・忍辱(にんにく)
・精進(しょうじん)
・禅定(ぜんじょう)
・智慧(ちえ)

これではピンとこないので、もう少し分かりやすい言葉に置き換えると、

・布施……親切
・持戒……言行一致
・忍辱……忍耐
・精進……努力
・禅定……反省
・智慧……修養

となります。ここで一つずつ見ていきましょう。

布施(ふせ)/親切

人の役に立つような善いことをするのが布施です。布施には、お金や品物などの「財施」と呼ばれる有形のもの、優しい言葉、笑顔、思いやりなどの無形のものがあります。例えば電車の中で妊婦さんやお年寄りに席を譲る、これも立派な布施(親切)の一つです。相手も自分も見返りを求めることなく、純粋な心で親切を与え受けることで、お互いに幸せがもたらされると言われています。

持戒(じかい)/言行一致

礼儀作法を大切に、規律や人との約束を守ることが持戒です。人間ひとりでは生きられません。だからお互いに決められたルールを守り、相手のことを思いやり、譲り合いの心を大切にしましょう。

忍辱(にんにく)/忍耐

生きていれば誰しも逆境、苦境に立たされることがありますが、それらをじっと我慢することが忍辱です。我慢とは言っても、怒りや恨み、不満の感情を伴うものではなく、現実を受け止め、投げ出すことなくじっくりやり通す我慢を実践してみてください。「踏まれても 咲くタンポポの 笑顔かな」という俳句がありますが、これは忍辱の本質を表しているものだと思います。

精進(しょうじん)/努力

常に全力を尽くして努力をすることが精進です。勝ち負けに一喜一憂することなく、成功を収めてもそれにおごることなく、謙虚に自分自身を見つめ、自分自身をさらに高める努力を向上心を持って続けたいですね。

禅定(ぜんじょう)/反省

物事の結果が思わしくなかった時、「こういう結果になったのは何でだろう?」と考え、反省することが禅定です。仕事で失敗をしてしまった時など、環境や周りのせいにしてしまうことがありますよね。でもまず自分に原因がなかったかと、自分と向き合う癖を付けてみてください。心が乱れてしまうと正しい判断もできなくなってしまいます。だからそんな時には坐禅や瞑想を行い、心を落ち着けて、平静を取り戻しましょう。

智慧(ちえ)/修養

物事をありのままに見て、真実を見極めるのが智慧です。人間誰でも失敗をするものです。でも、間違ったことをしたとしても、真実を見極めることができたら、その行動を正しい方向へ修正することができるようになります。だから自分の人生にまっすぐ向き合い、正しい行動をする努力を続けましょう。

以上、いかがでしたでしょうか。一日一善という言葉から想像した”善いこと”のイメージと違うものもあったと思います。

お釈迦様にとっては六波羅蜜は修行項目。この6つを通して悟りに至ったそうですが、私たちにとっては”幸感力”を磨くために日々取り入れたい行い・考え方です。一日にたくさんの善いことをするのは難しいかもしれませんが、一つであれば習慣化することもできそうですよね。

実は六波羅蜜は、6つのうちどれか一つを実践すれば、あとの5つも含めて6つ全部行ったことになるという考え方でまとめられた教えだそうです。(ということは一日六善?)また、日々自分の心にあったものを実践することで、幸せをもたらすとも言われています。

「塵も積もれば山となる」、毎日コツコツ続けることで、小さな幸せを大きな喜びに変えていきたいですね。 2 3

脚注:

  1. 「南部ブロック学習情報紙 あしだがわ 103号」、2012年12月発行、南部生涯学習センター
  2. 田上 太秀、『図解 ブッダの教え』、出版社: 西東社; 普及版 (2010/6/10)
  3. 森村 たつお、『六波羅蜜のはなし』、出版社: 鈴木出版 (1993/03)

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