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思いやりのおすそ分け

思いやりのおすそ分け

2012年9月18日 • Mind & Heart

ブサイクホルモンにさようなら」で、愚痴を言うことでブサイクホルモンが出る……ということについてお話しした時に、ふと母親の話を思い出しました。

60歳を過ぎても現役で仕事をしている私の母は、時々本社での会議のために上京することがあるのですが、大体「今日本社に行くから泊まらせて」と言って突然現れ、翌日帰るというのがお決まりになっています。

先日もそんな風に突然私の家に泊まることになった母。そこで、仕事を終えた彼女と待ち合わせて、お台場にあるBillsで食事をすることにしました。Billsはオーストラリアの有名シェフ、ビル・グレンジャーのお店ですが、「世界一の朝食」と呼ばれるリコッタパンケーキは本当に絶品! その話を母親にしたところ、「明日は有給取ったから、朝またここに来てパンケーキ食べて、美術館巡りをしてから家に帰る!」と満面の笑みを浮かべる彼女を見て、何だか私まで楽しい気分になりました。

次の日の夜、パンケーキの感想を聞こうと実家に電話したところ、珍しくプリプリと怒っていた母。話を聞いてみると、隣に座っていたカップルが着席してからずっと仕事の愚痴をこぼしていて、優雅にゆっくりと「世界一の朝食」を味わえるとワクワクしていた気分が損なわれてしまったとのこと。その時の心境を、「パンケーキにつばをペッペッとかけられたようなもの!」と、とてもわかりやすい表現で説明してくれました。

「世界中で最も多くの読者をもつ自己啓発書作家」と呼ばれたベストセラー作家、オグ・マンディーノの言葉に、

Do not listen to those who weep and complain, for their disease is contagious.
「愚痴をこぼす人の話には耳を傾けない方がいい。彼らの病気はうつるから。」 1

というものがありましたが、その通りだと思います。愚痴が聞こえてきたことで、彼らの「病気」(ネガティブな発言)がうつって、母の気分が害されてしまったのは残念ですし、愚痴を言っていたカップルも「思いやりのおすそ分け」をしてくれればよかったのに、と思いました。

公共の場で愚痴を言いたくなる衝動をぐっとこらえて、「人に嫌な思いをさせない」のが思いやり。そして、愚痴を言わないことで、直接的には伝わらなくても私の母親が朝食を楽しむことができるので、「人を幸せな気持ちにさせる」という思いやりにも繋がります。

でも「思いやりのある行動をしなくては!」と気負う必要はなく、少しだけ周りのことを意識するだけでもいいと思います。そうすることで、自然と思いやりのおすそ分けができるようになるはずだから。

同時に、私も自分の胸に手を当てて、同じようなことをしていないか考えてみようと今回母親の話を聞いて思いました。他人の非を見て批判するのは簡単ですが、まず「自分はどうなのか」を振り返ってみることも大事ですよね。


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