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呼吸や身体を整えて、目に見えない「気」の流れを整える 

呼吸や身体を整えて、目に見えない「気」の流れを整える 

2015年11月30日 • Health, Mind & Heart

「やる気が出る」「気分が上々」「気がむいた」「気を張り詰める」「気が緩んだ」「病は気から」等々、身近に使っている「気」とはなんでしょう。目には見えない「気」の変化が心身を左右します。

東洋医学では、「気」は万物を構成しているもので、大気、大地、水や人間の身体も「気」で構成されていると考えます。気は常に動き、形を変え、物事や物質は気の動きとともに様々に変化します。自然現象は気の変化によって起こり、人間の心や身体も同じことが起こると見ています。つまり、不調は心身のバランスが崩れていることの現れであり、全体のバランスを整えることで問題の根本を改善し、気が巡って自分自身や自然の流れと調和していきます。

「気」はヨガで言われる「プラーナ」という生命エネルギーであり、気の流れはプラーナ(生命エネルギー)の流れです。「経絡」は気の通り道であり、ヨガでは「ナディ」と言われます。私たちの身体には神経よりも繊細な72,000本のナディ(エネルギー経路)があり、ヨガの調息法であるプラーナヤマとはエネルギーのコントロールです。呼吸が浅いと生命エネルギー(気)は全身に行きわたりづらく、呼吸が浅いままヨガの練習をしていてもその効果や恩恵は得られにくいのです。この生命エネルギーは呼吸をしていない死んだ人には流れていないので、冷たくなり硬直していきます。だから、身体の中で冷たいところ、硬くなったところは気の流れが滞っているかもしれません。

このように、私たちの内側に流れる生命エネルギーは消化機能を促進するなど内臓機能をサポートするとともに、免疫機能を強化し、一定の体温と血行を維持する役割を担います。気の通り道である経絡は中医学で五臓六腑(ごぞうろっぷ)と言われる各臓器とそれぞれつながっています。

筋肉や神経、内臓の緊張から全身の気の滞り、つまりは不調をもたらします。緊張を解き放ち、気の滞りをなくし、気がスムーズに流れると、一定の血行が促進・維持され、心身が調和され、不調も回復していきます。

リラックスしている時やゆったりと深い呼吸をしている時など、副交感神経が優位になると、筋肉が緩み、血管が広がったり、心拍がゆっくりになったり、内臓が活発になったりします。栄養・酸素・体温が体のすみずみまで行きわたり、老廃物や疲労物質などの不要なものがスムーズに体外へ排出されやすくなります。内臓の働きが活発になることで、身体の修復や疲労回復、細胞のリセットが行われます。

また、思考が停滞しているとエネルギーが流れません。クヨクヨ、モヤモヤ、イライラはどんより重たくなってしまいます。気持ち良く深い呼吸で全身を動かすヨガでは、その呼吸の流れにゆだねるように思考を手放し、消耗せず、頭の中が疲労しない“静けさ”が増していきます。身体を整え、呼吸を整えて、心を整える「調身・調息・調心」。活動状態のβ波の脳波がリラックスのα波へと変わると、絶え間なく流れ続ける頭の中でめぐっている思考が止み、「空」の状態は“気づき”が増えていきます。考えることをやめて、こうあるべきだという考え方を取り外し、自分で勝手に決めてしまった条件を手放し、比較や支配・決めつけや限定する思考パターンから解放されていきます。

情報や世間の意見は外側から見た自分です。それだけで自分自身を作ってしまう思考だけでは、ガチガチの冷たくて重い鎧を身にまとい、疲れて、エネルギーを消耗してしまいます。他の誰でもなく、あなただけは、あなた自身に寄り添ってあげることが出来るのです。あなたは、どうしたいですか?

心と身体と頭がバラバラでひとつでないと、あなたの光であるエネルギーは最大限に発揮されません。目を閉じて、ゆっくり呼吸をして、自分の内側を広げていく。意識よりも、もっともっと深い領域で“感じる”こと。

心と身体がひとつにつながると、心から安らぎ、癒され、エネルギーは温存され、満ちあふれていきます。身体と精神が安定して、五感が研ぎ澄まされ、内臓や血管が浄化・活性化され毒素を排出してめぐりの良い心身で自分自身を存分に生きられるようになります。自分にとって、周囲にとって幸せなことを気づき、表現していく行動力になり、そんな良い“気”がめぐって循環していくのです。

心を扱うのは難しいし、気の流れや生命エネルギーは目には見えない。だからこそ、呼吸や身体を整えて感じるチカラを養い、目には見えない本質に寄り添い、プラーナ(気)を養い、自分自身の純粋性を広げていきましょう。

「元気」とは“気が元にもどる”ということ。元気な時は、あなたがあなた自身を生きられているのです。元気がないなと感じる時は無理や不自然に気づいてあげて、握りしめていた緊張や執着を手放しましょう。いつも、あなたがあなた自身に寄り添ってあげられますように。

参照文献:
佐藤弘・吉川信著 『いちばんわかりやすい 東洋医学の基本講座』 (成美堂出版)


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