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舌が語る魅惑のシシリー アランチーノの記憶

舌が語る魅惑のシシリー アランチーノの記憶

2016年10月27日 • Food & Drinks, Travel

シシリーの旅の楽しみといえば、もちろん“食”!
太陽の恵みをいっぱいに受けて育った新鮮な野菜やフルーツで彩られた南イタリアの食卓は色彩豊か。オリーブやワイン、生ハムやチーズに加え、新鮮な海の幸がたっぷりいただけるというのも日本人にとっては嬉しい限りです。

そんな美味しいものづくしのシシリーで、帰ってきた後もなお舌の記憶に残る一番の出会いはなんと「アランチーノ」でした。みなさんもご存知のとおり、イタリアのライスコロッケです。

日本でもその存在は知っていたし何度も食べたこともあるのですが、正直あまり好んでいなかったこの食べ物、実はシシリーの名物料理だったのです。美食の島シシリーにいて、その名物料理を食べないわけにはいきません。遅いお昼ご飯に立ち寄ったカフェで、ふとショーケースの中に鎮座するアランチーノの存在に気付きオーダーしてみたところ、これが想像をはるかに超える美味しさだったのです! まさに目からウロコの体験とはこのこと。これまで自分が食べてきたのはアランチーノとは名ばかりの単なるフライドライスボールだったことを深く思い知った瞬間でした。

ご飯を揚げただけなのに、こんなにイタリアン!

日本ではボールのようにまん丸をイメージするアランチーノですが、シシリーでは円錐形の形をしているところが多く、大きさはゆうに片手にあまるほどのどっしりサイズ。中には、トロットロになったモッツァレラチーズとハムが入ったものや、ひき肉やグリーンピースのトマトソースのラグーが入ったもの、ご飯にサフランを効かせたものなど、バリエーションも豊富です。

舌が語る魅惑のシシリー アランチーノの記憶

そもそもご飯を揚げるという発想自体、なんだかとっても胃にもたれそうな気がするのですが、シシリーで食したアランチーノは、どのお店のものも油っこさ感はまったく感じさせず、ただただシンプルに“とってもイタリアン!”なお味なのです。これまでまったく興味がなかった食べ物だっただけに、その美味しさへの開眼は衝撃的で、滞在中は小腹が減るとアランチーノを食し、幸福な満足感を味わいました。

面白いのが、街の惣菜屋さんや国道沿いのガススタンドといった何の変哲もないお店のものでも、アランチーノが驚くほど美味しかったりすること。いかにも美味しそうな匂いをかもし出しているお店ならいざしらず、そのへんのどう見てもあまりやる気がなさそうなお店のアランチーノがびっくりするくらい美味しかったりするのは、さすがイタリア!といったところでしょう。

ちなみに、この滞在の間に食べたアランチーノで一番美味しかったのは、ローマ時代の遺跡群があることで有名なアグリジェントの高速の入口にあったガススタンドのアランチーノ。サフランライスの中にベシャメルソースのようになったチーズとハムがたっぷり入って至福の美味しさでした。こうして文章を書いているとまた“アランチーノ熱”が再発してしまうのですが、日本ではなかなか本場のアランチーノに巡り会えないのが、なんとも残念なところです。

  • シシリー島の位置

Photo:Mayu Kobayashi


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